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マフィア(伊:Mafia)とはシチリア島に存在する犯罪者による秘密結社の通称。コーザ・ノストラとも言うがマフィアは『名誉ある男』であり『任侠道』をともない、コーザ・ノストラ(伊:Cosa nostra)は『(全て)我々のもの』を意味する秩序のない組織的な犯罪集団を意味するため一線を画す、またコーザ・ノストラは第2次世界大戦時にアメリカがラッキー・ルチアーノを大量の武器と共に強制送還しイタリアの内部崩壊を図った、そのときのルチアーノの傍若無人な振る舞いにより作られた言葉であるため、オメルタなど自戒のない新興犯罪組織のこととなる。19世紀より本拠地シチリア島から恐喝や暴力により勢力を拡大、市民生活にまで影響を及ぼす存在となる。20世紀における最も著名なシチリアの組織犯罪の固有名詞であるがゆえに、他の民族や他の地域の組織的な犯罪、暴力集団もマフィアと呼称されることとなる。

さらには、市場における規制の網をくぐる存在として匿名の投機筋も「金融マフィア」や「穀物マフィア」と呼ぶことがある。

Charles Luciano

コーザ・ノストラの代表的人物ラッキー・ルチアーノ

起源[]

1860年、統一イタリア王国にシチリア島が統合されたことが、歴史の変換点となった。王国とは言え、政権に集まった人間の中身は右翼から左翼までばらばらであり、伝統的に中道である大地主は不信感を抱いた。さらにシチリアの住民たちは、それまでの数世紀にわたるシチリア王国や両シチリア王国での、フランス人やスペイン人といった外国人支配者による政治的な圧迫の記憶から、政治や政府そのものに対して強い不信感があり、住民同士での互助組織を通じてその時々の外国人支配者に対して抵抗していた。このため中央政府に対する反発が強まり、大地主、保守的な宗教勢力、勃興する労働運動、さらにファシストによる混迷が生まれ、マフィアの躍進する素地が出来てくる。

マフィアの語源には諸説あり定説は無い。アラビア語で採石場を意味するマーハ(mafie)、空威張りを意味するマヒアス(Mā Hias)から来たというものである。シチリアは9世紀から11世紀までイスラム教徒のアラビア人が支配しており、支配に反抗した者や犯罪者がしばしば採石場に逃げ込んだという。またイタリアの国語辞典には“シチリア方言で「乱暴な態度」から”と記述がある。

元々、マフィアという言葉は肯定的な意味で使用されていた言葉であり、「美しさ、優しさ、優雅さ、完璧さ、そして名誉ある男、勇気ある人、大胆な人」という意味で使用されていた。この意味での言葉が初めて公文書に使われたのは1656年パレルモでの異端尋問においてであり、異端とされた者のリストの中にこの言葉が使用されている。現在のような秘密結社、犯罪組織を意味する言葉として初めて使われたのは19世紀以降からであり、現代の意味でこの言葉が広く知られるようになったのは1862年に制作された喜劇「ヴィカーリア刑務所のマフィア構成員たち(I mafiusi de la Vicaria)」がパレルモのサンタンナ劇場で上演され大ヒットしイタリア各地で巡演されてからである。

また公文書においては1865年、パレルモ知事であったフィリッポ・グァルティエリ伯爵が内務大臣に提出した文書において使用されたのが最初である。また、マフィアという名前は使用されていないが、マフィアを暗示する組織の存在が公文書に載ったのは1838年、トラパニ市の検事ピエトロ・ウッロワが司法大臣に宛てて書いた報告書が最初であるとされている。

また、有名な話としてシチリアの晩祷にまつわる以下の逸話がある。

「Morte alla Francia Italia anela!」(モルテ・アラ・フランシア・イタリア・アネラ:フランス人に死を、これはイタリアの叫びだ!)
1282年3月30日、フランス占領下のシチリア島で地元の女性がフランス兵に暴行を受けた。これに怒った住民がフランス兵を殺害、抗議の声を上げた。世に言う「シチリアの晩鐘事件」である。

このスローガンの略語が「MAFIA」でありマフィアの語源ともされるが、イタリア語として不自然で、後に創作された俗説である。

1957年11月幹部がペンシルベニア州アパラティンに集合した際のFBIによる大量検挙で、マフィアの名がアメリカのメディアにも登場するようになった。

日本におけるマフィア活動[]

日本との関係では、戦後間もない時期にアメリカ領フィリピンのマニラの賭博師だったテッド・ルーインやシカゴのチェーソン・リー(中国系でアル・カポネの子分)が、連合国占領下の東京に進出。ルーインは銀座に「マンダリン」という店を出して闇賭博場を開いたことがあるとされる。例えば、読売新聞は目玉の社会部が「東京租界」シリーズで彼らや中国系ギャングの活動を取り上げている。当時の社会部記者の一人に「ブラックジャーナリズムの帝王」となる正論新聞の三田和夫がいる。ルーイン一派は帝国ホテルダイヤ強奪事件などの犯罪を引き起こして最後は日本を離れる結果となるが、エリザベス・サンダースホームに寄付をしていくなどの行為を行っている。

ヤクザの事をあくまで便宜上の表現としてジャパニーズ・マフィアと呼称することもある。

有名なアメリカマフィアの人物[]

John Gotti

ジョン・ゴッティ

  • アル・カポネ:禁酒法時代の代表的なシカゴの大ボス またタンタンの冒険旅行にも出ている
  • サルヴァトーレ・マランツァーノ:20世紀初頭のニューヨークマフィアの大ボス。いわゆる五大ファミリー制度の創始者
  • ジョー・マッセリア:20世紀初頭のニューヨークマフィアの大ボス
  • ラッキー・ルチアーノ:マッセリア、マランツァーノの死後ニューヨークマフィアを統一し、アメリカマフィアを近代化させた人物、現ジェノヴェーゼ一家の初代ボス
  • マイヤー・ランスキー:ユダヤ系。ルチアーノと協力してマフィアの近代化に貢献した人物で、マフィアの金庫番
  • ベンジャミン・シーゲル:ユダヤ系でランスキーの幼なじみ。ラスベガスに初のカジノホテルを立てた人物
  • フランク・コステロ:「暗黒街の首相」と呼ばれた人物、ルチアーノの後継ボス
  • ヴィト・ジェノヴェーゼ:コステロの後の現ジェノヴェーゼ一家のボス
  • アルバート・アナスタシア:マーダー・インクを率いた人物、旧アナスタシア一家(現ガンビーノ一家)のボス
  • ジョゼフ・ボナンノ:ボナンノ一家の初代ボス
  • トーマス・ルッケーゼ:現ルッケーゼ一家の二代目ボス
  • ジョー・アドニス:ルチアーノらと共にマフィアの黄金時代を築いた一人。
  • ジョゼフ・プロファチ:旧プロファチ一家(現コロンボ一家)の初代ボス
  • カルロ・ガンビーノ:アナスタシアの殺害後、現ガンビーノ一家のボスとなる。60年代から70年代のニューヨークマフィアの大ボスとして有名
  • ジョゼフ・ヴァラキ:初めてマフィアの沈黙の掟を破った事で有名な人物。ジェノヴェーゼ一家に所属
  • ポール・カステラーノ:ガンビーノの死後ボスの座を引き継ぐが、ジョン・ゴッティに暗殺される
  • ジョン・ゴッティ:カステラーノの後を引き継ぐ。20世紀末のニューヨークマフィアの大物
  • ヴィンセント・ジガンテ:80年代から90年代にかけてのジェノヴェーゼ一家のボス。精神病患者を装いながらファミリーを操っていた人物。
  • カルロス・マルセロ:アメリカで最も古いファミリーであるニューオーリンズ・マフィアのボス。

関係者(と言われていた者)[]

  • ジュリオ・アンドレオッティ:イタリアの首相
  • アミントレ・ファンファーニ:イタリアの大統領
  • シルヴィオ・ベルルスコーニ:イタリアの首相
  • ヴィットーリオ・エマヌエーレ・オルランド:イタリアの政治家、外交官
  • ロベルト・カルヴィ:イタリアの銀行家
  • フランク・シナトラ:アメリカ人の歌手、映画俳優
  • トマス・E・デューイ:ニューヨーク州知事で、1944年および1948年の共和党大統領候補
  • ジョン・F・ケネディ:アメリカ合衆国第35代大統領
  • ジョセフ・P・ケネディ・シニア:アメリカの実業家、外交官
  • ジョン・エドガー・フーヴァー:アメリカのFBI長官
  • ジミー・ホッファ:全米トラック組合委員長
  • フルヘンシオ・バティスタキューバの大統領
  • マリリン・モンロー:アメリカの女優、ケネディとジアンカーナと関係があったと言われている
  • サルヴァトーレ・ジュリアーノ:シチリアの山賊。マフィアと協力関係にあった。

脚注[]

関連文献[]

  • 竹山博英『マフィア―その神話と現実』 講談社現代新書、1991年、ISBN 9784061490413
  • シルヴィオ・ピエルサンティ『イタリア・マフィア』 朝田今日子訳 筑摩書房、2007年、ISBN 9784480063526
  • サルヴァトーレ・ルーポ『マフィアの歴史』 北村暁夫訳 白水社、1997年、ISBN 9784560028087
  • ジョン・フォレイン『すべてはマフィアの名のもとに』 福田靖訳 三田出版会、1996年、ISBN 9784895831598
  • 加藤久雄『組織犯罪の研究―マフィア、ラ・コーザ・ノストラ、暴力団の比較研究』 成文堂、1992年、ISBN 9784792312992
  • アレキサンダー・スティル『シチリア・マフィア―華麗なる殺人』 松浦秀明訳、毎日新聞社、1999年、ISBN 9784620312866

外部リンク[]

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